中小企業の業績悪化のパターンと企業再生⑧ - 営業外費用の削減
2013/02/11|ビジネスコラム
営業外費用の削減
営業外費用とは、金融機関に支払う支払利息及び割引料、また、社債を発行した際に支払う社債利息、社債発行差金償却、開業費償却、有価証券売却損、有価証券評価損、原材料評価損などのことです。
最近では、中小企業も社債(私募債等)で資金調達を行なっているケースも珍しくありません。
さて、支払利息や割引料を減らすには以下の方法などがあります。
「金利の低い金融機関の融資残高を増やし、金利が高い金融機関の融資残高を減らす」
しかし、中小企業の場合、気をつけなくてはならないのは、金利だけで金融機関との取引を考えると、いざというときに資金調達が思うようにいかなくなる可能性があるということです。
金融機関も、自行をメインにしている企業にはある程度の与信も与えてくれますが、金利目当てであっちに行ったりこっちに来たりする企業には、そうはしてくれないということが実際にあります。
中小企業は、過小資本(資本金や内部留保が少ない)が特徴であり、慢性的に一定の借入金が必要なケースが多いです。
勿論コスト削減のための取組みは必要ですが、金利だけで金融機関との取引を判断をすることは避け、資金調達の可能性を含めて総合的に判断をすることをお勧めいたします。
「小まめに借入と返済を繰り返す」
これは短期的な運転資金で借入をした場合などに、期間を少し長めにして借入をするケースがあると思いますが、取引先から売上代金の入金があった場合に、期日前でも早めに返済をするという方法です。
あるいは、部分的に元金の返済をする方法(内入れ)もあります。
金額が大きな場合には、有効な方法です。
そうした小さな努力が年間を通せば、大きな利益になるのです。
しかし、これも借入れの手続など、時間というコストと比較して実施を検討することが必要です。
「取引先に手形の期日を短くしてもらう」
手形割引は、手形金額×金利×期日までの日数で、支払う割引料が算出されます。
したがって、期日が短ければ、短いほど、割引料が少なくて済みます。
一方で、期日が長いと、割引料は高くなります。
また、期日が長い手形の場合は、決済までに割引する手形の枚数(金額)が増え、融資枠そのものに影響を与えます。
簡単には行きませんが、是非お取引先に交渉をしてみてください。
「融資の残高そのものを減らす」
当たり前のことですが、融資残高そのものを減らせば、金利を減らすことができます。
融資の残高を減らす方法は、資産の圧縮、あるいは利益を出すことです。
(希に増資するという方法もあります。)
中小企業の方々に、よく以下のようなお話をさせていただきます。
「借入金は資産が増えた(増やした)結果として、増えたのです」
「または赤字を出して資金が出ていった分の補填として、増えたのです」
したがって、借入金を減らすためには、現金、売掛金、商品在庫、貸付金、仮払金、自動車、トラック、建物、機械、ゴルフ会員権、保険積立金などの会社の資産を減らすことができるかにかかっています。
または、利益を出すかです。
ビジネスで必要な資産については慎重に検討する必要がありますが、やはり、コスト(経費)削減と同じで、赤字脱却のためには、資産の圧縮にも聖域はありません。